五 十 肩

先日、久し振りに旧友に会った。いつも元気一杯の友人が浮かぬ顔をしている。
“どうした”と聞くと、五十肩になってしまい、この1ヶ月腕が挙がらないのだと言う。友人には、“もう少し辛抱すれば、自然に良くなるよ”などと慰めの言葉を言って別れたが、実は、私も、数年前、五十肩に罹った経験がある。

痛みは、前触れも無く突如襲って来た

朝いつもの様に起きようとすると、左肩に激痛が走った。少しでも左肩が動くと激しく痛むので寝返りも打てない。怪我した覚えは、全く無いが、先ずは医者に行こうと考える。
しかし、起きた日が悪かった。正月2日である。医者が開くのは4日である。救急も考えたが、担当が内科医ならどうしようもない。左肩を動かさないようにして、日中と言わず、夜中と言わず続く痛みに耐えながら過ごした2日間が何と長かったことか。

肩関節付近の白濁液を抜くと、痛みは嘘の様に取れた

正月4日。食事もそこそこにして、近くの整形外科に駆けつける。レントゲン撮影後、“左肩から注射器で滑液を抜きます。はい、これで痛みの7割は取れます。”と言われる。確かにすっと楽になった。心なしか左腕も少し動かせるような気がした。レントゲン写真を見せてもらうと、左肩の付近で白く濁っている様子が見えた。これは、長年の間、滑液の中に溜まった骨の成分(石灰分)だと言う。この白濁成分を抜いたらしい。

片腕の日常生活は、本当に不便である

利き腕は右だが、左腕が動かせないのは本当に不便である。今まで何も考えずに行っていた日常生活が、どんなに大変か改めて知らされた。先ず、服の着替えがまともに出来ない。起きると、右腕を使って、左腕からパジャマを下に引き抜いて脱ぎ、又、逆の動作で、シャツ・服を着せていく。歯を磨く、食事する にも、コップや食器がまともに持てない。歩いていても、左腕でバランスが取れないと直ぐ躓きそうになる。
我ながら最も危ないことをやったのは、車の運転である。左手は、ハンドルを下から抑えたまま、右手の片手運転である。“急な飛び出しがあったら多分避け切れないだらうな”と思いながら運転した。

奇跡的に、リハビリが一週間で済んだ

整形外科で治療後、完治の予想を尋ねる。3ヶ月か、半年か、或いは1年か、分らないと言う。その時点で、数ヶ月の不便な生活を覚悟する。整形外科医には、毎日、通院して、理学療法(低周波、マイクロ波)を続けることを薦められる。後は左腕を冷やさないことだと言う。

不便な生活を少しでも短くするため、家でも、会社でも、常にリハビリをやることとした。@毎日、整形外科の理学療法に通う。A家庭用低周波治療器を購入し、家と言わず、会社と言わず、時間を見ては肩に電流を流す(理学療法を真似た)。B風呂に入ると、痛さを少し我慢しながら、右手を添えて、左手を毎日少しづつ上に挙げていく。C車の運転をしながら、ハンドルを持った左手を少しづつ動かしていく。Dアイロン(1kg)を持って左腕を前後に振る など。

多少やり過ぎなリハビリにも思えたが、目に見えて効果は上がった。ほぼ1週間で左手を真直ぐ上まで挙げられるようになり、整形外科医も驚いていた。

経験者は意外と多かった

会社で聞くと、意外にも五十肩の経験者は多かった。同じ部署でも、朝、ゴルフに行こうとすると急に右肩に痛みを覚えた。そのまま、3ヶ月間腕が挙がらなくなったという日曜ゴルファー。40歳代に右肩をやって、50歳代に左肩をやってしまったと言う山男など。結構、多くの人が罹る病気のようであり、原因も色々あるらしい。しかし、事前に前触れも無く急に襲ってくるとは、困った病気である。


整形外科の理学療法の診察券
(マイクロ波、低周波治療)



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