パ ソ コ ン 教 室

今は、生徒も全くおらず、開店休業状態であるが、ボランティアでパソコンを教えていたことがある。

退職し、暇を持て余していた時、「佐藤さん。自治会でパソコン教えてくれない?」と声をかけられた。会社では、解説書も読まず、隣を真似するだけの“門前の小僧”方式で覚えたパソコンなので、教えるにしても我流である。“後から色々言われると大変だよ”と言ってくれる友人もいたが、ご近所の役に立つのだったらと思い、引き受けることにした。

メーカーの償却設備を譲り受けた5台のパソコンを使い、インターネット接続・テキスト作成など準備を進めて、3ヶ月後、何とかパソコン教室の開設にこぎつけた。

パソコンの型が旧い(ウインドウズ95及び98)のと、先生(私)の実力不足を考えて、高度な内容は止め、初級だけを教えることにした。“ワード・電子メール・インターネット”を1日6時間(午前3時間・午後3時間)で教えるコースである。

指導は、パソコンの台数に合せ、4〜5人グループ単位で行った。

2回目は、会社OB会の支部長(当時)の赤井さん(仮名)他 60〜70代の4人だった。3人は、日常的にはワープロを使っていると言っていたが、70代後半の松木さん(仮名)だけは、ワープロ・パソコンとも全く触ったことがないとのことだった。

午前中(9:00〜12:00)ワード

簡単なパソコンの使い方を説明し、直ぐ、次の文章作成をしてもらった。

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当地区の皆様へ                                         自治会

自治会パソコン教室の開設のお知らせ

次の通り、パソコン教室を開設しましたのでお知らせします。

1.開催日 毎月  第一水曜日、第三水曜日

2.  一日  午前9時〜12時  午後1時〜4時

3.  当自治会館  2階  A会議室

(申し込みは、受講料を添えて当自治会館管理人(名前)まで)

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  手馴れた人なら、1〜2分で出来る文章である。しかし、パソコン初めての皆さんは、結構難しそうで、12時いっぱいまでかかった。入力は、今後のことも考えて、ローマ字にしたが、それが問題のようだった。特に、松木さんは、ローマ字の綴りが、直ぐには思い浮かばず、一字一字 ローマ字表と首っ引きで頑張った。

午後(13:00〜17:00)電子メール

簡単な文章で、生徒同士のメールのやり取りをしてもらった。

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○○様(相手の名前)

今日、初めて電子メールを送ります。

よろしければ、返信をお願いします。

                             ○○(自分の名前)

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この辺から、松木さんの頭の中は飽和状態になったらしい。ローマ字表を見ながら入力しようとするが、間違えて中々入力できない。途中、何回も休憩を入れたりしてが、それでも駄目だった。最後には、先生がキーを一つ一つ指差したりしながら入力して貰った。

そんなこんなで、何とか1日の授業を終えた。

最後に一言「皆さん。本当に理解力が素晴らしいですね。ワード・電子メール・インターネットは、これで何でも出来ます。 後は、経験を積むだけ! 松木さんも、ローマ字さえ覚えれば、全く問題ありません!」

他の人は、「先生は、本当に口が上手い。」などと言っていたが、松木さんだけは、声を出すのも煩わしい程疲れた様子だった。

物を教える時の私のモットーは、実際はとも角、終わった時、“今日聞いたことは、全て分かった” 様な気にさせることである。しかし、今回は難しいかなと思った。まあ、終わったことは、気にしないことにした。

(後日談)

仕事上、パソコンと電子メールを早く覚えて下さいといっても、“ワープロとファックスで十分。 どうする? ア××ル〜!”状態で、嫌がっていた赤井支部長だが、ついにパソコンとインターネットを始めた。

“もうパソコンは、コリゴリ!”だろうと思っていた松木さんから、3ヵ月後、パソコンを見て欲しいと電話があった。
行って見ると、なんとパソコンで年賀状の住所録作成に毎日励んでいた。パソコン教室で使ったローマ字表は、机に貼ってあった。


自治会パソコン教室のパソコン






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