甲 子 園 応 援 団

今年の夏の高校野球は、木内監督率いる常総学院高校の優勝で幕を閉じた。

今年の特徴は、何と言っても冷夏の影響で、雨にたたられた大会であったことであろう。

私の出身地、山形県代表は、ブラジル出身投手で話題となった羽黒高校(初出場)だった。
私の高校時代、未だ設立されておらず、私との直接の接点は無いが、家内の姪“まよ(仮名)ちゃん”が羽黒高校の1年生である。

試合当日の朝、まよちゃんのお母さんから家内に電話が入った。「まよが甲子園まで応援に行ったが、雨で日程が延びた。小遣い(5千円)が足りなくなったので、1万円貸して欲しい。」と言うものだった。

山形県からは、1,000kmを超える道程がある。しかし、高速道路が完備しているため、応援団は、バスを仕立てて田舎を出発し、試合が終わればそのまま同じバスで岐路に着くのが普通である。応援団員の小遣いも、あまり必要ではない。

まよちゃんのお母さんの申し出は、勿論、喜んで引き受けたが、その後、お金の届け先を探すのが大変だった。何しろ、全く地理不案内で不確実な、高1の女の子の携帯だけが頼りである。
最初は、昼頃電話が入った。“まよです。いま京都見物しています。”
次は、5時頃の電話で、“兵庫県のミノオ温泉で夕食をとるそうです。住所・電話番号は分りません”と言う。

7時、若しかしたら大阪府の箕面温泉かも知れないと思い、インターネットで調べてみる。
“箕面温泉スパーガーデン”というホテルが見つかった。電話してみると、確かに羽黒高校応援団から夕食の予約を受けていると言う。只、宿泊の予約は無い。出発時間も分からないとのことである。そこなら、車で1〜2時間。もう少し、早く分っていたら、行けたのにと悔やむ。

どうも、今夜の宿泊先は未だ決まっていないらしい。10時頃、まよちゃんから又電話が入る。“友達が、京都のホテル・サムヤに泊まると言っていた。”と言う。やはり、住所・電話番号は分らないと言う。

若しかしたらと思って、「JTB時刻表」の巻末に記載してある日本観光旅館加盟会員旅館・JTB協定旅館ホテル名簿からホテル・サムヤを探してみる。350近い京都のホテル名簿を調べたが、見当たらなかった。

又、府県が違うのかなとも思ったが、試しに、音の響きが似ている京都駅前“ホテル佐野屋”に電話してみる。奇跡的にも、羽黒高校応援団の宿泊予約を受けているという。

直ぐ出かけようかとも思ったが、1,000人近い応援団。分宿して、他のホテルに居ること考えられ、今晩中に出かけるのを諦めた。12時頃、まよちゃんに電話して“ホテル佐野屋”であることを確認し、明日、9時頃届けると約束してその日は終わった。

翌日朝、京都“ホテル佐野屋”に夫婦で出かけ、やっと、約束の1万円に、祝儀を加えて渡すことが出来た。

結局、試合は2日間順延した。山形県人の期待も空しく、今年も初戦突破は出来なかった。新聞では、“羽黒(山形)、宿探しに四苦八苦!”と話題になった。相手の岩国応援団は、台風接近で試合が延びることを予想して、事前に出発を取りやめて影響はなかったという。こちらも、岩国に軍配が上がった。

お金を届け終わってから、“今時の小遣い5千円”が多いか少ないかが、夫婦で話題になった。
“多分、まよちゃんの母親が、姑に気兼ねして多く持たせられなかったのだろう。しかし、まよちゃんも、5千円で我慢できなかったのかな。友達の額を知れば仕方ないか。・・・“など。

今回は、まよちゃんの「不確実な居場所やホテル名」に振り回された2日間だった。兎に角、私(山形県出身)の今年の甲子園は、野球以外の話題で盛り上がって終わった。




羽黒高校応援団の宿探しを伝える新聞記事
(8月9日朝日新聞))




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