自治会班長

6月中旬、チャイムが鳴って出てみると、隣の三上(仮名)夫人が両手に紙袋を提げて立っていた。
「佐藤さん、来月から班長ですからよろしく。」
自治会の班長の引継ぎには大分早いのであるが、押し付けるようにして引継ぎ用紙袋2つを置いて帰って行った。

この班は26軒で構成されていて、班長は3ヶ月毎の輪番制である。
この班が自治会に加入した昭和45年(1970年)は、ご主人が未だ在職中であったため、加入以来、どの家も班長は奥様の役目である。
現在では、殆ど全員退職したはずであるが、引き続き奥様担当の家が多い。

私の場合、今回は、暇に任せて自らやってみようと考えた。
紙袋の中身を見てみると、次の資料が入っていた。

1.自治会会則(昭和43年(1968年)制定)ほか関係規則
2.自治会の会議資料、回覧板資料など過去1年分の資料
3.地区公園の毎月の清掃記録及び清掃時のごみ袋

他に、“三上”と書いた紙をクリップで止めた千円札が1枚入れてあった。
何も言わなかったが、金額からして今後3か月分の自治会費らしい。

7月、班長としての初仕事は、3か月分の自治会費千円也を集金する仕事であった。
朝出かける10時前や夕食前の時間帯を狙って家々を訪問し、何とか期日中に集金して会計担当部会長に会費を届けることができた。

ただ、この自治会の慣例だとかで、自治会費を集金しても領収書・レシート類は一切渡さない。
報道などでは“自治会費詐欺の話も聞く”昨今、領収書も渡さないで自治会費を集めて廻る男性に対して、班の人達にはどう写ったのか心配でもあった。

結構忙しい毎日を過した3ヶ月間であったが、何とか大過なく班長の役目を終えて、9月末に次の塩川(仮名)夫人にバトンタッチすることができた。

3ヶ月間で行った班長の主な仕事は、次のとおりである。

1.3か月分の自治会費(各戸千円也)の集金  ー 1回
2.地区の自治会への出席及び会議資料の回覧  − 毎月1回
3.担当する公園の朝の掃除の手配  − 毎月1回
4.市の広報誌“広報かたの”の各戸配布 毎月1回
5.夏祭りの手伝い(交通整理)  − 1回
6.緑道の整備   − 1回
7.夜の防火・防犯パトロール  − 1回
8.臨時の資料の各戸配布及び回覧  − 毎月数回

3ヶ月間班長を経験して、変ったことがある。

1.近所で出会う奥様たちが挨拶してくれるようになった。
(残念ながら、未だに顔と名前の一致しない人が多いのではあるが)
2.30数年間、知らなかった(関心も無かった)家と名前を覚えた。
3.近くを通っても、飼い犬があまり吼えなくなった家が多い。

会社勤務中は知らなかった地域の情報を少しは知ることができて、3ヶ月間の班長の役目も無駄ではなかったと思った。


(自治会風景−2005年9月)



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